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もっとも感染数が多い「性器クラミジア感染症とは」

クラミジア感染症は、日本で報告されている性感染症の中でもっとも多い感染数を占める疾患です。原因となるのは「クラミジア・トラコマティス」という細菌で、性行為を介して感染します。

もっとも感染数が多い「性器クラミジア感染症とは」

性行為というと一般的なセックス(膣性交)をイメージする方が多くいらっしゃいますが、オーラルセックス(クンニリングス・フェラチオ)、アナルセックス(肛門性交)でも感染します。ペアライフクリニックにご来院いただく患者様の中でも、咽頭クラミジアに感染している方が一定数います。

特に10代後半から20代の若年層で多くみられ、女性の感染報告数が男性を上回る傾向にあります。厚生労働省の感染者数はあくまで定点における報告数のため、実際の罹患者数は数倍に及びます。またクラミジアは無症状のまま感染する性感染症のため、クラミジアに感染しているが気づいていない方も多くいるのではないでしょうか。

もっとも感染数が多い「性器クラミジア感染症とは」

もっとも感染数が多い「性器クラミジア感染症とは」

参照:厚生労働省「性感染症報告数」

クラミジアの特長

症状(男女別)

性別 症状 無症状の割合
男性 ・排尿痛
・尿道から透明や白い分泌物
・不快感
約50%
女性 ・おりものの増加
・不正出血
・排尿時の違和感
・下腹部痛
約70〜80%

感染経路

性交渉(腟性交、アナルセックス、オーラルセックス)を通じて感染。キスや口腔性交でも咽頭に感染することがあります。

感染経路

潜伏期間

感染から1〜3週間で発症することが多いですが、無症状のまま経過することも少なくありません。

無症状の人が多い理由って?

クラミジアは炎症症状が軽く、自覚症状に乏しいため、感染しても気づかないケースが大多数です。特に女性は解剖学的にも炎症の自覚がしにくく、診断や治療が遅れやすい傾向にあります

無症状の人が多い理由って?

放置によるリスク

男性 精巣上体炎、前立腺炎などの合併症を引き起こすことがあります
女性 卵管炎、骨盤内炎症性疾患(PID)、子宮外妊娠、不妊症、流・早産の原因に。分娩時には母子感染により新生児肺炎や結膜炎を起こす可能性もあります。

検査方法

性病科、泌尿器科、産婦人科(レディースクリニック)などで検査することができます。また、保健所などでも定期的にクラミジアの検査を行なっております。クラミジアの検査は男性であれば「尿」女性であれば「膣ぬぐい」による検査となります。喉の場合は「咽頭ぬぐい、うがい液」のどちらかで検査が可能です。

検査方法

受診したことを周りに知られたくない場合は?

クラミジアに限らず性感染症はとてもセンシティブな感染症です。ペアライフクリニックでは保険証不要・完全匿名で受診いただけます。クラミジアの精密検査(PCR法)の結果を最短90分でご報告いたします。感染初期も見逃さずに検査が可能ですので、即日検査・治療をご希望の方はお気軽にご来院くださいませ。

治療方法

診療科

クラミジアの検査と同じように性病科、泌尿器科、産婦人科(レディースクリニック)などで治療することができます。

治療方法

クラミジアは内服薬による治療で完治することができます。医師に処方された用量を正しく飲みきり、治療後3週間以上空けて再検査を行いましょう。

性行為開始のタイミングは?

陰性が確認されるまで性行為は控えましょう。

予防方法 ―感染・再感染を防ぐにはー

性感染症は複数感染している場合があります。例えばパートナーが淋菌に感染していると発覚してもクラミジアには感染していないとは言い切れません。そのため、症状が出た際は複数の項目をチェックしましょう。

予防方法 ―感染・再感染を防ぐにはー

また、近年「ドキシペップ」と呼ばれる、クラミジアの予防方法があります。感染リスクの高い行為から72時間以内に服用することで感染率を大幅に下げることが期待できます。

クラミジアQ&A

Q. 陽性でも無症状なら放っておいてもいいのでは。

無症状でも感染は進行し、他人へうつすリスクがあります。特に女性は不妊症などの後遺症につながることがあるため、必ず治療が必要です。

Q. 自然治癒しますか? また市販薬で治りますか。

自然治癒は期待できません。市販薬での治療もできないため、必ず医療機関を受診し、処方薬による治療が必要です。

Q. パートナーが陰性だったのに自分は陽性でした。自然に発症することはありますか?

クラミジアは潜伏期間があり、感染から数週間後に陽性反応が出ることも。また、パートナーが偽陰性の可能性もあるため、再検査を検討しましょう

Q. 性行為以外で感染する可能性はどれくらいありますか?

クラミジアは基本的に性行為(腟・肛門・オーラルセックス)を通じて感染します。タオルの共有など日常生活での感染はほとんどありません。

執筆者 兼 監修者プロフィール

百束 全人 医師

性感染症内科ペアライフクリニック院長
百束 全人 先生

医師。東京工業大学在籍後、直接人の役に立ちたいと医学の道を志し、2012年に日本医科大学医学部に入学。2018年に同大学卒業。医師免許取得後、会津中央病院での臨床研修を経て、日本医科大学武蔵小杉病院勤務で泌尿器科を学ぶ。その後、水道橋スクエアクリニック勤務で皮膚科診療を経験し、2024年より皮膚・泌尿器科領域での性感染症内科ペアライフクリニック勤務。現在に至る。

協力

ペアライフクリニック

横浜院/渋谷院/名古屋院/札幌院/大阪梅田院(2025/6/14開院)

性感染症専門の医療機関。相談しづらい性の悩みに寄り添って、「プライバシーへの配慮」「専門性の高さ」「通いやすさ」を追求した診療をおこなっている。院内はプライバシーを配慮した動線、完全個室の待合室など、安心して来院できる環境。

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