ジェクス株式会社

気楽に人生を楽しむ視点からEDを見直す上で大切なのは、まず「なぜEDになるのか」を正しく理解することでしょう。

EDのメカニズムを大まかに説明しましょう。勃起は陰茎の海綿体に血液が流入して起こり、血液が出て行くことによって終わります。さまざまな要因によって血液が十分に流入しないとか、血液を保っておくことができないことで勃起が不十分になります。この「さまざまな要因」には「心の問題」と「体の問題」があります。
昔はほとんどが精神的なものとみられていましたが、検査法が進むに従って肉体的要因が大きいことが分かってきました。これまで精神的とみられていた現象でも、分子レベルの研究が可能になった結果、肉体的要因に帰結できることが判明したのです。さらに、現実のEDでは肉体的要因、精神的要因の両者が混じった「混合性ED」が多く、どちらに分類するかということ自体には大きな意味はありません。

体の問題(器質性ED)

勃起に関する神経、血管、組織、ホルモンなどに何らかの器質的変化があってEDになるケースで、「器質性ED」と呼ばれています。
これには、

なども含まれます。

また、各種疾病の治療薬などが原因となる「薬物性ED」もあります。高血圧に対する降圧剤など、病気そのものよりも病気の治療のために処方された薬で起きるEDです。

心の問題(機能性ED)

さまざまな精神的要因でEDになるもので「機能性ED」と呼ばれています。代表的なのはいわゆる「ストレス」と呼ばれる要因。ストレスとは本来「ひずみ」を表す工業用語で、このひずみが引き金となってEDが起きます。ただ、これまではストレスがまず性欲減退を招き、それがEDを起こすとみられていましたが、研究が進んだ結果、ストレスが直接EDを起こすことが分かりました。人間の脳神経系の中で性行動と情動の中枢が表裏一体となっているためです。精神的要因は次の2つに大別されます。

【1】現実心因=性的未熟、性的無知、過去の性交の失敗、性器の劣等感、新婚の緊張、女性からの抑圧、妊娠への恐怖、職場での抑圧など。

【2】深層心因=幼少期の心的外傷体験、母子の不分離、エディプス・コンプレックス、異性への敵意、性的嫌悪、近親相姦欲求など。

このうち若い人に圧倒的に多いのは、新婚初夜の緊張、過去の性交の失敗、仕事からの抑圧によるもの。特に新婚の緊張によるものを「新婚ED」、それによって性交が成就していない結婚を「未完成婚」と呼んでいます。
また、最近増えているのが、テクノストレス(テクノ依存症とテクノ恐怖症)によるEDです。これは性欲そのものがなくなるEDですので、普通のED治療では治せません。

心の問題(機能性ED)

肉体的要因、精神的要因の両者が混じったもので、現代社会ではこの混合性が多いといわれています。

社会的背景

近年、若者と高齢者を中心にEDが増えている背景として、性知識の不足と高齢社会の到来があります。若い人で意外に多いのが性知識の不足です。これだけ性情報があふれた時代に生きていながら、その中で性に興味を持たない、あるいは持たされずに気がついたら大人になっていた人が増えています。中にはマスターベーション未体験どころか、マスターベーションという言葉さえ知らないままに結婚する人がいます。一方でセックスの低年齢化が進んでおり、二極分化の傾向があります。
性知識の不足がなぜEDを引き起こすのでしょうか。それは、性欲は本能に由来するものですが、性行為はそうではなく、学習によって獲得するものだからです。社会的訓練がなければ正常な性行為ができなくなる可能性があります。最初の性行為に失敗した体験が心の傷となってEDになるわけです。
これまで友達や地域社会の先輩たちが自然に「性教育」をしていたのですが、受験勉強一辺倒といった生活によって、そうした交流がなくなってきているのも一因でしょう。
これは「対人関係の未熟さ」を生み出す原因にもなっています。携帯電話やゲームなども「生身の人間との交流」の機会を減らし、そうした現象に拍車をかけています。対人関係が未熟過ぎるとセックスもうまく行かず、EDを引き起こす可能性があります。セックスはとてもメンタルなもので、パートナーとの心の交流が不可欠だからです。
一方、高齢者のEDの増加では、高齢社会の到来が大きな要因となっています。医療技術の進歩により長生きが可能になり、生殖を伴わない性生活が延々と続く時代になってきました。この生殖と関係のない性生活をいかに楽しく過ごすかが大きな課題ですが、価値観やライフスタイルがそれに追いついていないのが現状のようです。

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